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事例紹介

Case Study

一見さんVSお得意さん分析

お客様の課題

この企業はグローバル展開を行っており、すでに日本でもいくつか店舗を展開していました。基本的にはグローバルでマーケティング戦略を決め、それを各地域に展開していくという方針でしたが、日本での売り上げをさらに伸ばしていくためにローカライズされたマーケティング戦略を立案する必要に迫られていたのです。

課題へのアプローチ方法

そこで店舗の基本属性、商圏の特徴、顧客のデモグラフィック属性および購買履歴から顧客セグメントの明確化、ターゲティング、アプローチ方法をデータ分析によって見つけ出していくことになりました。
まずは顧客の基本的セグメントを得るためのRFM分析を行い、以下の3つのケースのそれぞれに分類モデルを作成してランクアップ・ダウンの要因を決定木分析で探っていきました。

課題へのアプローチの経過

しかし、このモデルでは各セグメントにおける顧客数が少なく明確な要因まではたどり着けませんでした。
そこで方針を変更し、1年間における購買回数が1回の顧客(一見さん)と3回以上の顧客(お得意さん)をそれぞれ抽出し両者の違いは何かを探ることになったのです。

その結果明らかになったことは以下の2点です。

(1) お得意さんはレストランの利用頻度が高い
(2) お得意さんは季節商品を購入する確率が高い

(1)に関してはレストランの配置がちょうど店舗を一回りした出口付近にあり、ここで一緒に来店した家族、恋人、友人とさっきまで見ていた商品をネタに会話が盛り上がる場面が容易に想像できたのです。
つまり、顧客は単に商品を買うことだけではなく、商品選択・購入に至るまでのプロセスを楽しんでおり、その店舗で時間を消費することに意義があると感じていたということがわかりました。

(2)に関しては特にクリスマス関連商品に対してその特徴が顕著に表れており、顧客のライフスタイルや年間イベントとの関連性が推測されました。

プロジェクトの成果

以上の分析結果から得られた知見は、その後のマーケティング施策に反映され、レストランに関してはメニューの拡充や定期的な見直しへ、季節商品に関しては会員向けの広告や雑誌の改訂へとつながっていきました。

分析を行った当時は購買履歴が蓄積されている店舗が少なかったのですが、現在では他店舗でもデータが蓄積されており、今後は店舗が変わっても同様の傾向がみられるかの検証を行う予定です。

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