事例紹介
Case Study
情報漏えい検出のためのAIを用いた新製品企画の支援の事例
本事例では、企業における情報漏えいを自動検出できる新製品を企画しているクライアントを紹介します。AI(機械学習)を用いた製品を実現するにあたり、上流工程において、どのような進め方をするのかの参考になれば幸いです。
クライアント業界・業種
企業向けセキュリティシステム
クライアントが置かれていた状況・背景
- 企業における情報漏えいを自動検出できる新製品の開発を企画している
- 自動検出のための知見や技術を社内に持たない
課題
- 製品企画段階から次の段階の実施方法の明確化
- 情報漏えい自動検出のためにAIを用いた実現を検討しているが、AIの知見がなく、次の段階としてどう進めればよいか分からない
解決策
- そもそもの今回の製品企画が、社内においてどのような位置づけなのか明確化を提案
- 製品としてどのようなものを目指すのかを明確にするために、競合製品の機能を調査し、差別化する点や同等の機能を持つ製品において、どのように機能を実現しているのかを分析
- AIによる検出機能として実現するための前段階として、情報漏えいに関する概念を整理
- 社員のどのような一連のアクションが「情報漏えい」または「情報漏えい前兆」と見なせるのかのリスクシナリオを定義
- スクシナリオのデータモデルを定義。「実行者」「アクション」「アクション対象」を基礎要素として定義
- 製品として検出精度を見極めるために、PoCとしてプロジェクトを実施することを提案
- AI(機械学習)を用いた異常検知手法に関して、簡単な例を提示して共有することで、クライアントとの認識のギャップを低減
成果
残念ながら、製品企画段階での検討不足が判明し、プロジェクトとしては次の段階にすぐに進むことはなかった。しかし、我々としては、安直にAIの実現自体を目指すのではなく、製品企画の段階から実りある疑問を投げかけることで、クライアントの意思決定に寄与できたと考える。