データの見方
その結果、気づけることに気づけなかったり、間違った方向に分析結果が導かれてしまいます。
データを単体としてみる例として、こんな状況を思い浮かべてみてください。
※近年、海外で有名な観光雑誌上で、観光ランキング1位に京都が選ばれました。
世界で最も魅力的な観光都市を決めるランキングです。
ということは、「世界の人が最も訪れたい都市=京都」と考えることができますね。
また、世界中で最も魅力的な都市が京都なのだと、思うことでしょう。
「1位」というワードを見て、人によって様々な印象を受けるとは思いますが、京都が世界で一番人気のある観光都市だと思いますよね。
では、ここに「世界の観光客数」という別の視点のデータを付け加えてみます。
観光客数の1位はフランス、2位はアメリカ、3位はスペインという結果です。
日本は22位。(アジアでは7位)
一つデータを付け加えただけで、あなたのなかでの印象ががらりと変わったはずです。
ランキングを掲載していた雑誌を見ていた時には、世界一人気の都市が京都だと思えたはずですが、
観光で訪れる人数は圧倒的にフランスのほうが多いのです。
つまり、世界の人が実際に行きたい場所は、フランスなのではないか、という見方ができます。
単体で見ていた時には、とても良く見えていたデータでも、他のデータを見たり、情報を付け加えたりすると、見え方ががらりと変わってくることがあるのです。
今回の例で言えば、いい印象だった京都のイメージが、フランスの存在によって変わりますね。
逆の事象もありえます。他のデータを見たあとに、観光ランキングを見たとしたら、京都は素晴らしいところなんだな、という印象を受けることでしょう。
データを単体(=点)で見ていると、時として間違った読み方をしてしまったり、本来の状況を見落としてしまうといったリスクもあります。
せっかくのデータですから、正しい視点、幅広い視点で見ることを心がけるとこれまで見えなかったものがさらに見えてくるかもしれません。