データ分析チーム活発化の鍵は「組織対組織」と「フラットな関係性」
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- 導入事例の概要
- 日本経済新聞社グループの一員として、BtoBおよびBtoC分野で多様なデータを収集し、それを基にした詳細な市場調査や分析を提供している株式会社日経リサーチ様。(以下「日経リサーチ社」) 伝統的な市場調査に加え、デジタルリサーチの強化やビッグデータ解析など、進化するデータの世界に対応し、企業の戦略的意思決定をサポートするリサーチ会社です。日本国内だけでなく、グローバル市場にも幅広く対応しており、分析屋も一部業務を担当させていただいています。
Contents
導入背景 派遣では埋められなかったデータ分析人材の不足
― データ活用において、どのような課題があったのでしょうか?
データ分析の人材を集めるのが難しく、それが機会損失に繋がっていました。派遣スタッフの利用も試みましたが、個人対組織の関係になると上下関係が生じやすくなり、指示書に頼らざるを得ない面が出てきました。しかし、データ分析には探索的な要素が多く、すべてを指示書に明確に書き起こすことが難しいのです。
たとえば、データ集計ひとつとっても、仮説は立てられるものの、実際に集計してデータの相関性を数字で確認しないと使えるかどうか判断できません。仮説の段階で、ある程度の相関性はあるだろうと考えていても、その相関性が7割であれば使えるかもしれないけど、5割なら別の方法を考える必要があるかもしれない。やってみて実際データを見ないとジャッジできないことも多く、最初からすべてを明確にできるわけではありません。仮説を立てて試行錯誤しながら進めるのが一般的になります。

― ほかにデータ分析業務において、個人ベース対応では難しかった点はありますか?
個人ベースでの業務が多くなると、感情的なトラブルが起きやすくなります。データ分析は調整の連続であり、関わる人とすり合わせながら進めていくことが非常に多いです。感情面での行き違いが生じ、プロジェクトが止まってしまうリスクがありました。
また、教育コスト面での課題もありました。データ分析を実行してもらうためには、まず自社のビジネスを細かく教える必要がありますが、個人ベース対応では教育の役割を担ってもらうことが難しく、増員するたびに私たちが一人ひとり教育する必要が生じます。この負担が積み重なると、通常業務に支障が出てしまうこともありました。
導入後・成果 発展的な仕事に時間が割けるようになった
― そうした状況で、分析屋にご依頼いただいた経緯を教えてください。
個人ベース対応ではなく、チームとして委託でお任せできるパートナーを探していました。元同僚に相談したところ『分析屋さんなら大丈夫』と紹介いただきました。お願いしてみたところ、懸念していた課題事項がすべて解消されました。以降、分析屋さんにお願いしています。最初はスモールでのスタートでしたが、今ではマネジメントも含めてチームでご支援いただいています。
― 結果、どのような成果が得られましたか?
まず、以前は社員が残業して対応していたアドオンの調査業務が、分析屋さんとの分担で効率よく進められるようになりました。また、新規で参画いただくメンバーへの教育コストも減りました。その結果、社員が発展的な仕事に時間を割けるようになり、売上を大きく伸ばすことができました。これを評価して、分析屋さんには感謝状をお贈りしました。
プロセス① 共に探索を進めるために必要だった「フラット」な関係
― 組織対組織になったことによるメリットはありましたか?
やはり、上下関係がなくなりフラットな関係性になった点が大きかったと思います。探索的なタスクは意見をすり合わせながら進める必要があり、お互い「フラットな関係」であることが必須です。対等であることは「教え合いの文化」も自然と育んでくれました。たとえば、私たちはデータベースの知識を教え、分析屋さんからはBIツールの知識を教えてもらっていたりします。お互いが教え合って成長できる関係性を作れています。
プロセス② 人柄とコミュニケーション力の重要性
― 分析屋のサポートで良かった点を教えてください。
「人柄」と「コミュニケーション力」です。データ分析の仕事は調整事なくしてなしえません。そのため、人柄が重要になります。分析屋さんのメンバーはみなさん人柄が良く、コミュニケーションも円滑に進めることができます。会議の場では、その場で意見を言った方がいいことと、持ち帰ってから話した方が良いことを見極めて対応してくれるので、プロジェクトが滞ることなく進みます。教育も進んでやっていただけ本当に助かりました。問題があった場合もすぐにミーティングを実施いただき、問題・課題を共有し合えるので安心でした。
チーム単位でお任せしていましたが、やはり業務の進行にあたっては現場のメンバー同士の協力が求められる場面も多く、人柄やコミュニケーション力の重要性を改めて認識させられました。分析屋さんは今年で3年目ですが、現場での調整がスムーズに進んでおり、問題が一度も起きていません。

今後の展望 尖ったメンバー同士が教え合うチームの創造
― 最後に、今後の展望について教えてください。
これからは、分析で何ができるかを起点とするのではなく、顧客の課題起点で分析の力で解決できるよう、さらにできることを広げていきたいと考えています。そのためには、新しい技術を積極的に学び続ける必要があり、尖った技術・知識を持つメンバー同士が教え合えるチームを創っていきたいと考えています。そのための土台になるのもやはり「人柄」です。分析屋さんとは、これからも対等なパートナーシップを大事にしながら、お互いの強みを活かして進んでいきたいです。
まとめ 「共創関係」を作る「おもてなし」
今回のインタビューでは、日経リサーチ様が抱えていた課題と、それを分析屋がどのように解決してきたかについてお話しいただきました。探索的なアプローチが必要になるデータ分析領域においては「会社対会社の対等な関係」「人柄」「コミュニケーション力」が成功の鍵であることを強調されていたのが印象的でした。
この「人柄」「コミュニケーション力」によって「対等な関係性」を築き上げることは、まさに分析屋が掲げる「おもてなし分析」というコンセプトの肝です。特に進化・変化が激しいデータ分析領域において、顧客とパートナーが「共創関係」を築き共に成長していくことは非常に重要です。
これからも、日経リサーチ様と分析屋が二人三脚で、お客様の課題を解決し、新たなチャレンジに共に取り組んでいく姿が楽しみです。